公衆衛生事業部(第1回中央研修会)終了報告

開催趣旨・目的

フレイル予防のために欠かすことのできない口腔機能について学び、地域の高齢者に対する包括的な支援・サービスの提供や高齢者への保健事業の企画運営等に活用して県民の健康増進に貢献する栄養士・管理栄養士を育成する。

日時(曜日)

2022年9月10日(土)
午後2時00分から午後4時00分まで
(受付:午後1時30分から1時50分)
※ZOOMミーティングによるWEB開催

内 容

講演 「フレイル予防のための栄養・食生活と口腔機能の関わり」
講師 北海道医療大学歯学部保健衛生学分野
教授 三浦 宏子 氏
*生涯教育実務研修1単位になります。
研修会講演資料は9月27日まで会員専用コンテンツに掲載しています。

別添チラシ参照②(HP用)2022年度 第1回中央研修会 チラシのサムネイル

対象および定員

千葉県栄養士会会員で、上記内容に関心のある管理栄養士・栄養士
100名程度

参加費

無料

参加申込先

(こちら)③(HP用)2022年度 第1回中央研修会 申込書に記入の上、下記あてメールにてお申込みください。

千葉県野田市 健康子ども部 保健センター
担当 近藤
メールアドレス hokesen@city.noda.lg.jp
電話 04-7125-1189
申込期限 2022年8月18日(木)

事業報告
事業名 「フレイル予防のための栄養・食生活と口腔機能の関わり」
 講師 北海道医療大学歯学部保健衛生学分野 教授 三浦 宏子 氏
参加者数 85人(ZoomによるWEB開催)
内 容

高齢化社会により,フレイル予防の取組みは国の政策に反映されている。

「食事摂取基準(2020年版)」…複合的な高齢者保健対策として,栄養・食生活と歯科との密接な関連性が示されている。
「健康日本21(第二次)」…「食べる機能」に着目した対策となっており,低栄養,適正体重の
維持,口腔機能の維持・向上の目標値が記されている。
「後期高齢者健康診査」…令和2年度の後期高齢者健康診査から,咀嚼機能等の問診項目によ
り,フレイルリスクが把握できる内容となっている。健診後の保健指導においてオーラルフレ
イルの症状がある場合には,歯科医につなげることの対応が重要となる。
 高齢期の栄養管理は,低栄養と過栄養の二重負荷がある。主として自立高齢者には過栄養に
よる生活習慣病予防の対策となり,主として要支援・要介護の状態にある高齢者には,低栄養
によるフレイルや老年症候群等の対策が必要である。過栄養対策を実施しながら,徐々に低栄
養対策にシフトすることが求められる。低栄養の原因には,口腔機能低下が大きく関わるため
,口腔機能の低下を早く見つけ,歯科的アプローチによる咀嚼の維持・向上に加えて食事摂取
基準に基づく食事指導を行い,多様な食品を摂取できるようにすることがフレイル予防につな
がる。「高齢者の保健事業と介護予防の一体的な実施」では,高齢者の「通いの場」において
,歯科衛生士,管理栄養士等の専門職によるサービスの提供が行われている。
 また,フレイルには,身体的フレイル,社会的フレイル,精神・心理的フレイルの3つの要
因があることから,この課題の改善には,社会につなげることが重要であるため,地域や自治
体において,多職種が連携して取組むことが有効である。
オーラルフレイルは、もともと政策用語として登場した経緯があり、また、広範な概念を有す
る用語であるため、この言葉が指し示すものは、立場や職種によって異なる可能性があり、多
職種連携にあたっては、この点を認識しておくことが大切である。

感 想  三浦先生のご講演は,たいへんわかりやすく研修会の参加者アンケートからも,91%の方から「大変参考になった」「参考になった」との回答が得られ,とても満足度の高い内容であったことが伺えました。
 国の政策にフレイル予防の視点が含められていること,個人の状況を過栄養,低栄養のどち
らに該当しているかを判断し,対象者の状況に応じた保健指導を行うこと,低栄養の予防には
,オーラルフレイルの改善が基本となるため,歯科関係者,公衆栄養関係者等の多職種が連携
することで成果を上げられること,オーラルフレイルの概念と背景や歯科施策の動向など具体
的に学ぶことができ,実りのある研修会となりました。

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