学童期の食事と健康

生活習慣病の予防は発育期の食事が大事

1996年(平成8年12月)、厚生省(現:厚生労働省)は、従来、がん、脳卒中、心臓病、糖尿病など加齢に着目した疾患群を成人病とし呼称していましたが、若者にも発病がみられるようになり、これらの病気は、食生活や運動不足、飲酒、喫煙などのいわゆる日常の生活習慣の積み重ねから起こる病気の一群であることから、予防を重視して「生活習慣病」という概念を導入しました。子どもたちが人生80年を健康に過ごし、生活習慣病などにならないためには現在の生活習慣、特に、学童期からの食習慣が大きく影響します。

   厚生省が1990年(平成2年9月)に作成した「健康づくりのための食生活指針(対象特性別)」では、学童期を「食習慣の完成期としての食事」と位置付けています。

食事の取り方

1.朝、昼、夕の食事をきちんと食べる

   朝食抜きや昼食と間食の区別がつかない食事など、忙しい大人の食習慣が子どもにも及んでいませんか。朝食は必ず食べてから登校させるようにしましょう。朝食抜きで登校した子どもは、授業に身が入らない、気分が悪いなどを訴えることが多いようです。また、朝食をしっかり食べることは排便を促す効果があります。

2.野菜嫌いを直す

   野菜嫌いは、栄養のバランスが取れないだけでなく、食物繊維の不足により肥満や便秘の原因にもなります。野菜料理を工夫して野菜嫌いを直しましょう。学校給食のメニュ-でも、子どもの好きな料理(例えば、焼きそば、カレ-、ビビンバなど)に多めの野菜を入れるなどの工夫をしていますが、小さいころからいろいろな野菜に慣れるように、料理にいろいろな野菜を取り入れてください。

3.魚嫌いをなくす

   子どもの血液中のコレステロ-ル値が年々高くなっているといわれています。高コレステロ-ルは心臓病などの原因になります。魚の脂にはコレステロ-ルを下げる働きがあります。肉料理も魚料理も同じくらいの回数を食べましょう。魚嫌いの原因に骨をとり除くのが面倒、お箸が上手に使えないことも挙げられます。お箸を正しく使えるようにすることも大切です。

4.軟らかいものばかりを食べさせない

   子どもたちの好きなメニュ-を挙げてみると、ハンバ-グ、スパゲッティ、鶏の空揚、グラタン、カレ-ライスなどです。軟らかく、あまり噛まないで食べられるものは、食べ過ぎて肥満の原因になったり、噛むことが苦手なために野菜嫌いの原因にもなっています。野菜の繊維が噛み切れずに残している子どもをみかけます。

   噛むことは、歯や顎(あご)を丈夫にすることに役立つだけでなく、消化を助けたり、肥満の予防や脳の働きをよくするなどの効果があります。食事は、ひき肉料理だけでなく、切り身の肉や噛んで食べる根菜類(ごぼう、はす、にんじんなど)、きのこ類を料理に取り入れてください。食物繊維も同時に取れます。

5.味付けは薄味に慣れる

   食塩の取り過ぎは、高血圧や胃がんの原因になります。味の好みは小さいころに決まります。
   なるべく薄味に慣れるように、味付けには気を付けましょう。

6.おやつの食べ方に注意する

   おやつの食べ過ぎは食事に影響します。スナック菓子や甘い飲み物などを自由に食べていると食事のときに食欲がなく、おかず(嫌いな魚や野菜)を残して栄養のバランスを崩し、肥満や生活習慣病の要因をつくってしまいます。

   おやつは、時間、内容(食品の種類)、量に注意して次の食事に響かない程度に与えましょう。

7.子どもの生活習慣の見直しを

   以上のような事柄は、子どもの生活時間が大きく影響しています。正しい食習慣を身に付けるためには、規則正しい生活習慣が大切です。「早寝・早起き・3度の食事」の生活リズムを規則正しく働かせることが、健全な発育をとげ健やかな人生を送るための第一歩になるのではないでしょうか。