災害時に備えた食料

参考 災害時に役立つ「パッククッキング(家庭版真空調理)」

(公社)兵庫県栄養士会の作成した、災害時に役立つ「パッククッキング(家庭版真空調理)」についての資料を掲載いたします。簡単においしく作ることができます。活用ください。

PDF: パッククッキング(兵庫県栄養士会編)

備えあれば憂いなし

平成30年(2018年)は、西日本への集中豪雨や広範囲の地域が大型台風の度重なる直撃を受け、また、地震などの自然災害に見舞われました。これらにより家屋の全壊や半壊、流失などにより多くの人が尊い命を落とされ、また、これまでの生活の基盤を失い、避難所での生活を余儀なくされた方も大勢発生するなど、全国各地で甚大な被害を受けたことは記憶に新しいことです。

大正12年(1923年)9月1日、正午2分前に東京、神奈川を中心とし関東一円に被害をもたらした関東大震災は、火災、建物倒潰※、土砂災害、津波による犠牲者は10万人を超える未曾有の大災害になりました。現在は、「防災の日」として全国各地で地震などを想定した防災訓練が行われています。いつ、どこで発生するか分からない災害から、自分や家族の身を守るためには、「家具などの転倒防止対策」や「非常持ち出し袋や非常食の準備」など日ごろからの備えが大切です。また、自分の住んでいる県や市町村などで発行している「防災ガイド」や「ハザードマップ(災害危険予測地図)(地震、津波、土砂災害、洪水などがあります)」、「避難場所・避難所」「広域避難所」などの資料を入手して理解するとともに、家族皆で非常災害に備えた取り組みを行いましょう。

※内務省臨時震災救護事務局の行った震災調査は「潰」が使用された。

非常災害の種類 津波、豪雨、地震、台風、土砂災害

非常災害に備えた食料

「食」は衣・食・住のなかでも、人が生きるための基本となるものです。いつ発生するか分からない災害に備え、日ごろから食料などを備えましょう。

  1. 非常食は3日分を備えましょう。
    災害が広範囲にわたって甚大な場合は、1週間分程度の備えが必要ともいわれています。
  2. 水は、飲料水や調理用として、1人1日3リットルを用意しましょう。
  3. 食料と水は、家族の人数分を備えましょう。
  4. 自分や家族の状況に合わせて必要な物を備えましょう。
    赤ちゃんがいたら粉ミルクやベビーフードを備え、食物アレルギーがあればアレルギー用食品を少し多めに備えましょう。お年寄りがいたら軟らかく食べやすい物を備えましょう。
  5. 非常食は、玄関や入口、寝室、屋外の倉庫などすぐに持ち出せる場所に保管し、家族全員が保管場所を知っておきましょう。

非常食の購入と使用

  1. 非常食は、普段、食べている食品や普段の食事に利用できる食品を中心に、栄養のバランスを考えて揃えましょう。
  2. 賞味期限内に普段の食事の中に、組み入れて食べて、新しい物を購入して補いましょう。(ローリングストック法)
  3. 特定の食品を大量に保存するのではなく、いろいろな食品を備えましょう。食べて、おいしくなかったら、ほかの食品に変更しましょう。
  4. 水は、市販のミネラルウォーターやお茶、ウーロン茶などのペットボトルを用意しましょう。ミネラルウォーターは、長期保存が可能な物にしましょう。賞味期限近くになったら、飲用のほかにみそ汁やスープなどに使用すると、おいしい汁物を作ることが出来ます。

非常食に適した食品

  1. 食品は、電気、ガス、水道が使用できないことを考えて選びましょう。
  2. 栄養のバランスを良くするため、主食、主菜、副菜、調味料、嗜好品などを揃えましょう。
    支援物資として被災地へ届けられる食料は、おにぎりや菓子パン、弁当などが多くなります。
    このよう食事が長く続くと、必要な栄養素が不足して健康を損なう恐れがあります。

    • ①主食(エネルギー源)
      レトルトご飯・おかゆ、アルファ化米、乾めん、即席めん、パン缶詰、もち、乾パン、クラッカー、シリアルなど
    • ②主菜(たんぱく質源)
      魚・肉缶詰、レトルト魚・肉料理、スパゲッティの具など
    • ③副菜(ビタミン・ミネラル源)
      レトルト野菜料理、野菜煮物缶詰、ポテトサラダ缶、野菜缶詰(たけのこ、トマト水煮、アスパラガス、コーンなど)、即席みそ汁・スープ、レトルトスープ、常温で日持ちする野菜(にんじん、たまねぎ、じゃがいもなど)、乾物(切り干し大根、干ししいたけ、ひじきなど)
    • ④調味料
      みそ、塩、しょうゆ、ソース、マヨネーズ、ドレッシング、めんつゆなど
    • ⑤嗜好品
      あめ、チョコレート、せんべい、ビスケット、果物缶詰、ドライフルーツ、野菜ジュース、緑茶、紅茶、コーヒーなど
    • ⑥食器類他
      紙皿、紙コップ、箸、スプーン、フォーク、ラップ、アルミホイル、カセットコンロ、ガスボンベ(1本で約90分使用可能)、鍋、ウエットティッシュ、缶切りなど

      • ※カセットコンロがあると、ご飯を炊く、レトルト食品を温める、カップめんを作るなど料理の幅が格段に広がります。予備のガスボンベも備えましょう。
      • ※「高密度ポリエチレン」の表示のあるポリ袋を使用した「パッククッキング(家庭版真空調理)」を行うと、冷凍庫や冷蔵庫に入っている肉や魚、冷凍食品、いも、野菜などを使った料理を少ない水や火で作ることができます。

食物アレルギー、糖尿病などへの対応

糖尿病や腎臓病、食物アレルギーなど、病気のために食事療法を行っている方がいる場合は、非常時でも病気が悪化しないように利用できる治療用の特殊食品を多めに用意しておきましょう。災害時の対処方法について、主治医や家族とよく話し合っておきましょう。また、自分の病気の治療方法や普段飲んでいる薬の名前は覚えておきましょう。「糖尿病手帳」や「おくすり手帳」などは、非常時に持ち出しましょう。

ライフライン停止への備え

  1. 水道:飲料としての水は、市販のミネラルウォーターやお茶、ウーロン茶などのペットボトルを用意しましょう。ミネラルウォーターは、長期保存が可能な物にしましょう。生活用水は、水道水をポリタンク(ウォータータンク)に入れたり、お風呂の水をいつも張っておくなどの備えをしましょう。
  2. ガス:ガスコンロは薄型を、ガスボンベは多めに用意し、火気のない低い場所に保管しましょう。
  3. トイレ:水がなくても使用できる携帯トイレが市販されています。
  4. 電気:LEDライトや予備の乾電池を備えましょう。

非常持ち出し袋の準備

災害時に避難するときの最小限の必需品です。1~3日を目安にリュックサックにそろえましょう。あれも、これもと欲張りすぎないことが大切です。重さの目安は男性15kg、女性10kg程度といわれています。持って行動できることが大切です。非常持ち出し袋は準備ができたら、背負って行動できるか確認しておきましょう。飲料水や食品、乾電池など期限のあるものは、定期的に新しいものと交換しましょう。

  • 非常食・水:飲料水、加熱が不要な食料、紙食器、箸
    ※赤ちゃんがいれば、粉ミルク、離乳食を用意
    ※お年寄りがいれば、軟らかい食べ物を用意
  • 生活用品:マスク、ハンカチ、下着、靴下、歯ブラシセット、生理用品、トイレットペーパー、ティッシュ
  • ライト・ラジオ:懐中電灯、携帯ラジオ、乾電池、充電器
  • 貴重品:保険証写し、現金(硬貨)
  • その他:マッチ、ライター、ホイッスル、ポリ袋(大・小)、ナイフ、はさみ、レインコート、簡易トイレシート、布ガムテープ

ホームセンターや家電量販店などで防災用品が販売されています。

減災への備え

  1. 家の周囲の安全対策
    地震による被害を減らすために、自宅の安全対策について点検・見直しを行いましょう。住宅の耐震性に不安がある場合は、耐震診断を行って必要な補強などを行いましょう。

    • ①屋根
      屋根のひび割れ、瓦のずれ、はがれなどないか確認しましょう。アンテナは、しっかりと固定しましょう。
    • ②窓ガラス
      ガラス飛散防止フィルムを貼ったり、強化ガラスにしましょう。
    • ③ブロック塀
      ぐらついていないか、ひび割れや破損はないか、鉄筋が入っているか確認しましょう。
      通学路・避難路に面しているところは、不備があればしっかり補強しましょう。
    • ④玄関まわり
      通路の支障となるものは置かないようにしましょう。古新聞、古雑誌など引火しやすい物を放置しないようにしましょう。
  2. 室内の安全対策
    地震時のけがの原因は、家具などの転倒によるものが最も多く、室内の散乱は逃げ遅れてしまう原因にもつながります。家具の配置や固定具合を見直し、転倒防止などの安全対策を行いましょう。

    • ①家具
      背の高い家具や本棚は、L型金具や突っ張り棒などで固定しましょう。タンスや本棚に収納するときは重い物を下に、軽い物を上に収納しましょう。
    • ②冷蔵庫
      冷蔵庫ストッパーを使用して冷蔵庫の天板、または側板と壁との間をベルトで固定しましょう。   
    • ③暖房器具
      自動消火装置付のものを選び、周囲に燃えやすいものは置かないようにしましょう。
    • テレビ・パソコンできるだけ低い位置に固定して置き(家具の上は避ける)、金具や耐震マットなどで固定しましょう。

地域防災計画の把握と家族の取り組み

自分の住んでいる県や市町村などで発行している「防災ガイド」・「防災マップ」や「ハザードマップ(災害危険予測地図)(地震、津波、土砂災害、洪水などがあります)」、「避難場所・避難所」「広域避難所」などの資料を入手して、地域のさまざまな災害の危険性や避難場所などを理解しておきましょう。併せて、家族皆で話し合って、家の中や家の周囲を安全にしたり、災害から身を守る具体的な方法を理解するほか、非常持ち出し袋の保管場所、災害時の避難場所、家族との連絡方法など非常時の取り決めをしておきましょう。

地域での連携

地震などの大規模な災害が発生したときは、市や消防・消防団などの防災関係機関は総力を挙げて救援活動が行われます。しかし、大規模な災害時には救援要請の増加や交通事情の悪化などにより、防災関係機関が現場に到着するまでにかなりの時間を要することも考えられます。

平成7年1月に発生した阪神・淡路大震災では、家屋の倒壊などにより生き埋めや閉じ込められた人のうち、消防などの公的機関の救助(公助)により救出されたのはわずか2%で、残りの98%は自力(自助)または家族や隣人などの地域住民(共助)によって救出されました。

災害発生後、ただちに効果的な防災活動や救助活動を行うためには、日ごろから町内会やこども会の活動や、地区運動会、地区の祭りなどを通じて顔の見える関係づくりに努め「地域の絆」づくりを図ることが必要です。そして、居住地の町内会などの行っている「防犯パトロール」や「夜警」、「こども見守り隊」などの活動に参加したり、地区内に「自主防災組織」がある場合は、各種の防災活動に積極的に参加し、自分たちの地区は自分たちで守ることが求められています。