外食料理の賢い食べ方

外食の増加

  余暇の増大や女性の職場進出と食生活の簡素化傾向、核家族化の進展などにより外食をする機会が増加し、今では、外食は、私たちの生活になくてはならないものになりました。忙しいときや、調理が面倒なとき、一人で簡単に済まさなければならないときなどは、外食やコンビニで済ませてしまうことが多いことでしょう。
  しかし外食は、つい好きなものやおいしいもの、手軽なものに偏ってしまいがちです。また、味付けが濃かったり、量が多い、脂っこくエネルギー量が多い、野菜が少ないといった問題点も挙げられており、外食ばかりの食事では栄養バランスを崩しやすいのも事実です。
   健康寿命を延伸し人生80年を健康で健やかに生きるためには、日本人の死亡原因の約5割を占める、がんや心疾患、脳血管疾患のほか高血圧や糖尿病などの生活習慣病にならないことが肝心です。これらの病気は、いずれも食生活との関わりが深く、がんの場合では、発がん因子のうち食物の寄与度が最も大きく35%を占めると報告されています。
  こうしたことから外食する機会の多い方は、外食(料理)をどのように利用すればいいのでしょう。「外食(料理)の賢い利用の仕方」を考えてみましょう。

外食料理の問題点

「賢い食べ方、利用の仕方」の前に、外食(料理)の利用について考えてみましょう。
 まず、外食(料理)がいけないわけではありません。外食(料理)の特徴を知り、外食(料理)をうまく利用する一工夫が必要なのです。 

・時間がなく簡単にすましたい場合・・・単品料理が多くなります。⇒意識して定食に!
・就労の関係で、出先で、外食する場合・・・ファストフード店、食堂やレストランなどの飲食店、居酒屋などの利用となり、それぞれに特徴があり、陥りやすい栄養課題も異なってきます。⇒過食、偏った食事に注意することと、食べる時間を考慮してボリュームを決めること!
・コンビニエンスストアなどで間に合わせる場合・・・いわゆる、中食と言われる「惣菜店・お弁当屋・コンビニエンスストア・スーパーなどで、お弁当や惣菜など調理済みの加工食品を利用する場合です。⇒不足しがちなものをちょい足し、多いものを残す!

 いずれにしても、毎日の食事が外食料理や調理済みの加工食品に偏っていては、エネルギーや動物性脂肪、食塩などが過剰になりやすい半面、ビタミン、ミネラルなどが不足するなど栄養のバランスを悪くしやすいので、賢い食べ方にチャレンジしてみてください。

賢い食べ方

1. 単品料理を避け「定食」や「五目」ものを選ぶ

   カレ-ライス、ラ-メン、ピラフ、グラタン、チャ-ハンなどの単品料理は比較的脂肪が多く、たんぱく質やビタミン、ミネラルなどが不足しています。栄養のバランスの良い料理としては、魚や肉、卵などを使用した料理と野菜や海藻などを使用した料理がそろった定食を選ぶようにします。
   めん類を食べるときは、五目そば、おかめそば、鍋(なべ)焼きうどんなどの五目的な料理を選ぶようにします。めん類には、5~6グラムの食塩が含まれていることが多いので、汁は全部飲まないで半分程度は残すようにしましょう。

2. 主食を重ねて食べない。多い場合は残す勇気を!

 うどん+おにぎり、ラーメン+炒飯、お好み焼き+焼きそばといったように主食となるものを組み合わせるのは避けましょう。糖質の過剰摂取とともに、エネルギーの過剰摂取となります。カツ丼や親子丼などの丼もの、麺類の大盛り、お代り(替え玉)は控えましょう。特に、中年以降の方や肥満傾向の方は特に注意が必要です。。お弁当では、幕の内弁当、松花堂弁当などが栄養のバランスが良く適していますが、ご飯が多い場合は、少し残すことも考えましょう。

3. 揚げ物よりも、焼く、蒸す、煮る料理を選ぶ

主菜は、同じ食材であっても、調理法によってエネルギー量や脂質量は異なります。揚げ物より焼き物や蒸し料理、煮物を選びましょう。

4.野菜の多いメニューを選ぶ   

 どうしても外食料理等は、野菜が少ない傾向にあります。できるだけ野菜の入っているメニューを選ぶようにしましょう。また、副菜/副々菜として、きのこや海藻類、こんにゃくなども含まれていることが望まれます。

5.不足する食品を補う

 単品料理だけでは不足しがちなビタミン、ミネラルなどをほかの料理と組み合わせることにより補うようにします。

   例 1)スパゲッティミ-トソ-ス、またはサンドイッチ+サラダ盛り合わせ+ミルク、
   2)おにぎり( 2個)+茹(ゆで)卵+野菜の煮物やあえ物(ごまあえなど)

6.食べる順番を意識し、ゆっくりよく噛んで食べる(食事の時間を確保)

 主食(ご飯など)から食べるのではなく、副菜(野菜や海藻、きのこ類等)から食べること。出来れば、次に主菜、そして主食の順にゆっくりと時間をかけて食べることで、血糖の急激な上昇を抑え、満腹感も適量で得られやすいのです。
   なお、外食料理は1日に1回程度を目標とし、朝食や夕食など家庭で食べる食事や間食は魚、豆腐、卵、いも、野菜、海藻、果物、牛乳などが不足しないように気を付け、味付けは薄味を心掛けましょう。  

参考資料
1):厚生労働省HP_健康日本21_がん(https://www.mhlw.go.jp/www1/topics/kenko21_11/b9.html)
                                 (更新 2023.12)