思春期の食事と健康

基本的な事柄

   思春期は、学童期から青年期への移行期にあたり、第二次性徴が現れ、精神的、肉体的に著しい変化期にあります。成長はラストスパ-トに入り、エネルギ-や栄養素の必要量が増加し、男女差が大きくなります。

   受験勉強などによる夜更かしから、食事の習慣や生活のリズムが乱れやすくなります。近年では、食べ過ぎと運動不足から子どもの肥満が増加し、肥満を誘因とした糖尿病や脂肪肝、脂質異常症などの生活習慣病の若年化が進行しています。

   また、その一方では、スリム志向によるやせ過ぎは、栄養素の摂取不足やアンバランスを起こしやすくなります。

   思春期は健全な発育をとげ、生涯にわたる健康づくりの基盤をつくるうえで最も大切な時期にあたります。「食育基本法」(平成17年 厚生労働省)に基づいて千葉県で2022年(令和4年)に策定された「第4次千葉県食育推進計画」では、思春期にあたる中学生・高校生をそれぞれ「将来の食習慣の形成に大きな影響を及ぼす時期」・「生活環境の変化の中、食生活の自立に向けた重要な時期と位置付けています。

   健康は、日常生活の延長線上にあることを基本に、思春期の健康と食生活について考えてみましょう。

思春期の食生活の目標

  1. 成長・発育に必要なエネルギ-や栄養素を十分に取る
       小学校高学年から、中学生、高校生にかけては、エネルギ-やたんぱく質などの栄養素は一生のうちで最も多く必要な時期になります。必要な栄養素が不足しないよう十分に取りましょう。
  2. 食生活を健康と関連づけてとらえ、正しい食習慣や規則正しい生活を身に付ける
       健やかな成長をとげ、生涯にわたって健康を維持し、生活習慣病を予防するための望ましい習慣を健康と関連づけて理解させます。

食生活のポイント

  1. まず朝食を、そして、3食をしっかりと
       車もガソリンを入れなければ走りません。朝食をしっかり食べれば脳細胞が働き、授業にも集中できます。そのうえで、昼食、夕食をきちんと食べましょう。赤(魚、肉、卵、豆腐など)、黄(ご飯、パン、いもなど)緑(野菜、果物など)の食品を食卓にそろえましょう。
  2. 「脳の働きを活発にする食事は」バランスの良い食事から
       バランスの良い食事は脳神経を刺激し、イライラを鎮めます。不飽和脂肪酸、カルシウム、ビタミンC、たんぱく質などをしっかり取るようにします。いわしなどの青背の魚や牛乳、卵、チ-ズ、納豆、野菜、果実、海藻などを十分に取りましょう。
       また、脳の働きを良くするためには、ビタミンB群を十分に。ビタミンB 、B 、B やB12の摂取を心掛けましょう。胚芽、強化米、うなぎ、卵、チ-ズ、レバ-、小魚などのほか肉類にも多く含まれています。
  3. 偏食しない
       和風、洋風、中華風などいろいろな料理を取り入れ、バラエティに富んだ献立にしましょう。好きなものばっかりの「ばっかり食べ」をせず、食べ慣れないものにも挑戦してみましょう。極端な偏食は将来の健康に影響をおよぼします。
  4. 塩分や動物性脂肪を取り過ぎない
       塩分の取り過ぎは、高血圧や肥満などの生活習慣病の原因になります。薄味に慣れ、肉類などの動物性脂肪の取り過ぎに気をつけましょう。外食や加工食品の取り方も注意が必要です。
  5. 食物繊維を十分に
       腸を刺激し便秘を解消したり、いろいろな生活習慣病の予防に役立ちます。
  6. 砂糖を取り過ぎない
       菓子類や清涼飲料の取り過ぎに注意しましょう。
  7. カルシウムを十分に
       必要量が増加します。丈夫な骨や歯をつくったり、イライラの解消に役立ちます。
  8. 間食は食事とのバランスを考えて
       牛乳やヨ-グルト、果物など食事だけでは不足しやすい食品を主体に、スナック菓子や清涼飲料の取り過ぎに気をつけましょう。
  9. 良く噛んでゆっくり食べる
       噛むことにより脳を活性化させ、頭の働きが良くなります。また、肥満の予防にも役立ちます。.

10.サプリメントに頼らない  
  栄養素の不足を補うためにサプリメントを取り入れることがあります。しかし、本当に過不足が日常的にあるのか確かめる必要があります。過剰に摂取することにより体に害があることが報告されてい  ます。栄養摂取は日々の食事内容の充実を第一に心掛けましょう。
 

 たばこは百害あって一利なし、若者の好奇心が、肺がんへの片道切符とか。たばこは体が一人前になる20歳を過ぎてからですが、吸わないにこしたことはありません。これらの事柄を点検し、ハツラツとした思春期・青春期を有意義に送りましょう。

参考:千葉県ホームページ
   第4次千葉県食育推進計画の策定について 
                                    (更新 2023.12)