家族、友人、家・・・大震災は一瞬にしてすべてのものを奪ってしまいます。
阪神淡路大震災1995年(平成7年1月17日)から27年、東日本大震災2011年(平成23年3月11日)から間もなく12年になります。
最近は、地震だけでなく、大型台風、土石流、火山噴火などの自然災害が各地で発生しています。大震災以後、各自治体や職場では非常時の体制が強化され、防災備品や備蓄食料の見直しがされました。家庭においても、いつ起こるかわからない災害に備え、日頃から食料などの備蓄を心掛けましょう。
備えあれば憂いなし
衣・食・住の中でも「食」は生きるための基本となるもので、どのように食料や水を確保するかは重要です。震災で被災されて避難所生活を送った人たちの中に、入れ歯を持ち出せなかったお年寄りが、冷えたおにぎりを食べるのに困ったという話を聞きます。
「自分のことは自分で守る」を前提に、お年寄りがいたら噛みやすい物を、赤ちゃんがいたらミルクやベビ-フ-ドを、食物アレルギ-があれば、アレルギー用食品を用意するなど、自分や家族の状況に合わせた「備え」が大切です。
確保しておく水・食料
最低でも3日分、出来れば1週間分程度の備蓄が必要です。
大震災が起こった時、まず困るのは食料と水です。一般的には救援の手が届くまで、3日あればまず大丈夫といわれていますが、東日本大震災は、被害が甚大で、また被災した地域が広範囲であったことなどから救援物資が届くまで3日以上、電機や水道の復旧に1週間以上かかってしまった地域もありました。
しかし、数週間分の水や食料を備蓄しておくことは、難しいので、まず3日分の水や食料を準備しておくことから始めましょう。水は1人1日3リットルを目安に、市販のミネラルウォ-タ-やお茶、ウ-ロン茶などのペットボトルなどで用意しましょう。ミネラルウォーターは、長期の保存が可能な物を選びましょう。普段使用する食料品を「買い置き」して、賞味期限を考えながら計画的に使用し、使用した分を新しく購入するようにします。そうすることで、いざ使用したいときに賞味期限切れになってしまっていることを防げます。
日ごろ食べ慣れ、簡単に食べられる食品を選んで保管して置くと更新が容易にできます。栄養バランスを考えて揃えましょう。
非常時に適した食品
食料は、電気、ガス、場合によっては水も使えないことを考えて選びます。
- 主食 <エネルギー及び炭水化物の確保>
米2kg位(できれば無洗米がよい)、レトルトご飯やアルファ米など、パン(長期保存)、餅、カップ麺、乾めん、シリアル、小麦粉、乾パン、クラッカーなど - 主菜 <たんぱく質の確保>
豆・魚・肉類缶詰(味付、水煮)、レトルト豆・魚・肉料理、豆腐(充填)、乾物(かつお節、桜エビ、煮干し)、ロングライフ牛乳、スキムミルクなど - 副菜 <ビタミン・ミネラル・食物せんいの補充>
日持ちする野菜や果物の買い置き(じゃがいも・たまねぎ・かぼちゃなど)、野菜・果物の缶詰、乾燥野菜、野菜スープ、インスタントみそ汁など - 調味料 砂糖、みそ、しょうゆ、塩、ソース、ケチャップ、マヨネーズなど
- 嗜好品 ジュース、ジャム、はちみつ、飴、チョコレ-ト、ティーパックなど
非常時でも、主食・主菜・副菜を組み合わせて、栄養バランスのとれた食事をすることが体力維持につながります。
カセットコンロ(ガスボンベ)、缶切り、皿、箸、スプ-ン、コップ、ラップなども忘れないようにします。
地域での連携
天災は予期せぬ時に、予測できなかった被害を生みます。とっさに逃げ出す時、非常用食品や飲料水を持ち出せないことも考えられます。そこで、どこに保管するかが問題になります。自分だけで考えず、近所の人達と、お互いの役割分担を含めて話し合っておくことが必要かも知れません。
普段からお互いに顔と顔が分かる近所付き合いをしておくことが大切です。
普段から何を準備し、どう動くのかを考えておくことも大切になります。備蓄の取り組みの第一歩として、家庭にある食料品をリストアップして、これだけは用意しておきたいものをチェックしてみましょう。
人は忘れやすく、他人事と思いがちですが、「天災は、忘れずにやってくる」とも言えます。平常時からの健康づくり、体力づくりは、身近にできる最も重要な防災対策の一つです。
(更新 2022.12.11)