水と健康

体内における水の働き

   水は、体重の50~60%を占める体の主要な構成成分で、その10%を失うと健康がおびやかされ、20%を失うと死を招くといわれています。人は食物を食べなくても水さえ飲んでいれば2~3週間の飢餓に耐えられます。

   水は一般に栄養素には含めていませんでしたが、最近の医学・生理学では水と酸素を栄養素として取り扱ってきています。

   体内における水の働きは・・・

①血液の主成分として、栄養成分や酸素などを体の各組織へ運び、また各組織から不要産物を体外へ排出する。(体の各組織から運ばれた血液中の成分は、腎臓の糸球体でろ過され、必要な成分は尿細管で再吸収して利用し、体内の不要産物を尿として排出する)
②電解質を溶かし、そのバランスを維持する。浸透圧の平衡を維持し、体細胞の形態を保つ。
③発汗作用により体温を調節する。
など、生命の維持に重要な働きを行っています。

水の供給と排泄

   1日の水の供給と排泄の目安は表の通りですが、水の摂取量は、食事の内容、生活している場所の温度や湿度などの環境、発汗状態などでも異なってきます。汗をかいたときや不感蒸泄が激しいときなどは、水分を補給しないと不足します。(代謝水とは、栄養素が体内で燃焼されるときにできる水のことをいいます)

水が不足すると

   体の水分が不足すると脱水状態になり体に異常(初期の症状としては、倦怠感や食欲の減退など)をきたします。お年寄りや子どもは脱水状態になりやすいので、食事に汁物を加えたり、間食に果物や牛乳などを用い水分の補給を心がけることが必要です。

   特に、風邪をひいて熱があったり、下痢が長く続くとき、気温の高い夏場や梅雨の蒸し暑い湿度の高いときなどに熱中症や脱水症が起こりやすくなります。体のなかの水分が不足してくると、喉の渇きを感じ、水分を要求します。このようなときは水やお茶、麦茶などで補給します。しかし、高齢者になるとのどの渇きの感覚が鈍くなることなどからこまめに水分を補給することが必要です。砂糖を多く含む清涼飲料は砂糖の取り過ぎになるので、喉が渇いた時に補給する水分とは区別することが大切です。

尿は健康管理の目安

   特別に水分の多い食事を取ったり、水分を多く摂取しない限り毎日の尿の量や回数はほぼ一定しています。特別に運動をしたり、多量の汗をかいたりしていないのに尿の量が極端に少なくなってきたり、反対に水分を多く取っていないのに尿の量が多くなったり夜間トイレに起きるようになった場合も要注意です。

   また、尿の色や臭いなども体に異常がある場合は普段と異なるので、尿の量や回数、色、臭いなどに注意することにより健康状態の目安を知ることができます。一般的に見られる病気としては、腎臓が悪くなると尿の量が減少し、また、血尿がみられることもあります。

   糖尿病では、尿の回数が多くなり(喉の渇きを感じる場合も多い)、甘い臭いが感じられる場合もあります。熱があるときやビタミン剤を飲んでいるとき、汗を多くかいて水分の補給が少ないときなどは、尿の色は一時的に濃くなりますが、水分を補給することにより通常の色に戻ります。このような一時的な現象でなく、数日以上にわたって異常が続き、体の調子がおもわしくないときは医師の診断を受けることが必要です。

水分の供給と排泄(1日の大まかな目安)
供給 排泄
飲み水 食物中の水 代謝水 合計 尿 不感蒸泄
(皮膚、呼気)
 糞便 合計
1,200ml 1,000ml 300ml 2,500ml 1,400~
1,500ml
900ml 100~
200ml
 2,500ml