基本的な事柄
最近、硬いものの食べられないこどもや良く噛めないこどもが増加し、顎の発達が不十分であったり、歯並びの良くない子どもが増えているといわれています。 「食べ物を噛んで、飲み込む」能力は、人が生まれつき持っている能力ではなく、離乳食、幼児食を通して練習によって身に付けられるものです。 噛むことと健康とのかかわりについて考えてみましょう。
噛むことの意義
- 食物の消化をしやすくする
噛むことにより食べた物の嚥下しやすくなり、また、噛むことによって反射的に唾液や消化液の分泌量が増し消化されやすくなります。 - 食べることの満足感や喜びが得られる
噛むことにより、味物質が溶出して拡散されるため食べ物をより深く味わうことができます。 - 食物に混ざっている異物を発見できる
口の前部、唇、舌先の感覚は敏感で、噛むことにより食べ物に混入した異物を発見することができます。 - 口腔内の自浄作用がある
噛むことにより、口腔内の各組織は代謝がこう進し、細菌の繁殖を抑制し、また、物理的にも、歯に付着した食べ物の粕などが取り除かれます。 - 顎や口腔組織の正常な発達に役立つ
噛むことにより、咀嚼器官の正常な発達が促進され、歯の発育にも役立ちます。
咀嚼が不足することの弊害
- 咀嚼機能障害の因子となる
歯根膜の疾患、不正咬合、むし歯、歯周疾患、口内炎などの原因になります。 - 軟らかいもののみを食べる
栄養的な偏りが生じやすく、ビタミン、ミネラル、食物繊維などの摂取不足の原因になります。 - 食物が十分に咀嚼されていなくても飲み込んでしまう
動物性食品は消化吸収されますが、植物性食品の場合は消化吸収できないものが多く、また、噛むことによっておいしくなるものの味を十分に味わうことができなくなります。
咀嚼能力の習得
食べ物を噛んで、飲み込む能力を習得するための感受期は、生後4~5ケ月から1才半ごろまでといわれています。
離乳食の開始期から、食べ物の硬さ(調理の形態)は段階を追って少しずつ進め、噛むことを教えることが、咀嚼能力を身に付けさせるうえでの基本になります。
噛むことを覚えないうちに、食べ物の硬さを増してしまうと、噛むことの練習ができず、飲み込むことの練習になってしまうといわれています。
また、いつまでも軟らかいものだけの食事では、噛むことを覚えることができません。
食べ方に合わせて、少しずつ硬さを増していくことが大切です。
良く噛んで食べることは、肥満の予防に役立ち、ひいては、糖尿病や心臓病などの生活習慣病の予防にもつながります。
幼児や小学校低学年の児童で、よく噛むことができない場合は、ハンバ-グやスバゲッティなどの軟らかいものだけでなく、野菜やきのこ、豆類、切り身の肉などを使った料理を増やし、よく噛んで食べる習慣が身に付くように努めましょう。



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