偏食をなくそう

偏食の対応

偏食とは、一般的にある特定の食品に対する好き嫌いがはっきりしていて、しかもその程度がひどい場合を言います。ある特定の食品が嫌いであっても栄養学的に代替しうる食品、例えば魚が嫌いであっても肉や卵、大豆製品などを食べれば問題はないわけですが、だからといって偏食があってもかまわないという意味ではありません。偏食がひどく特定の食品しか食べない状態では、成長・発育に必要なビタミンやミネラルなどの栄養素が不足しやすくなります。

また、子どもが好むからといって偏食を容認し、肉料理などに偏っているようでは、わがままを助長するだけでなく、将来の生活習慣病の原因にもなりかねません。さらに、偏食は意欲や好奇心など心の発達や性格形成などの阻害要因になるといわれています。食欲があり楽しそうに生き生きと食べる子は意欲や好奇心があり、自発性に富むということも実践女子大の二木先生の調査からも言われております。偏食はいずれ時期が来ればなおることもあり、あせらずに長いスパンで見て行くことが大事です。

子どもが偏食をする原因はさまざまですが、調理法を工夫することで食べられる場合もあります。ただし、食べれないものを無理に強制することは絶対に禁物です。工夫しながら少しずつ様子を見て進めるようにしましょう。

発達段階に適した偏食防止対策を

なんでも好き嫌いなく食べられる子どもに育てるためには、まず、親自らが食事と健康とのかかわりを理解しバランスのとれた食事作りに努め、何でも好き嫌いなく食べることが肝心です。
そして、味付けは薄味を心掛け、子どもの発達に合わせていろいろな食品や料理に慣れさせるようにしましょう。また、食事は家族そろって楽しい雰囲気で食べるなど、ふだんから良い食事の習慣づくりに努めることなどを基本に、子どもの発達段階に合わせた偏食の予防対策を行いましょう。

離乳期の対策

離乳が進む8~9カ月ごろ、使用する食品や調理方法が多くなると、好きなもの嫌いなものをはっきり態度にだすようになります。好きなものは積極的に口を出して食べても、嫌いなものは舌で拒否をします。これは、初めて食べるものへの警戒心の表れでもあります。一度食べないからと嫌いなものと決めつけないで、調理法や味付けを変えて何度か試してみましょう。無理に食べさせようとすれば情緒的に不安定になるばかりでなく、食事をいやがる子どもにし、食べ物への興味を失わせます。大人がおいしそうに食べているところを見せたり、優しい言葉がけをしてあげることが大切です。

調理形態が合わなかったり、味付けが濃かったりすることが、食べない原因になることもあります。味付けは薄味にしましょう。また、食品を単品として与えるのではなく、好きな食べ物の中に混ぜたりすると効果的です。

幼児期の対策

2~3歳の反抗期になると、食べ物についての好き嫌いをはっきり言うようになり、嫌いなものを拒否する態度を示します。これは自己主張や自我の表れで、心の発達の一つの段階です。この時期に、子どもの言いなりにすると偏食が固着するといわれていますが、嫌いな食べ物を強制することは逆効果です。

嫌いだからとその食品を遠ざけてしまわず、いろいろな調理法で作った料理を食卓にのせ食べる機会を多くするように心掛けましょう。

子どもの気持ちを受け入れながら、好き嫌いなく食べることの大切さを普段の食生活のなかで教えたり、家族で楽しく食卓を囲んで食べること、大人からの「食べられてえらいね」などの励ましにより、自分から食べようとする気持ちが育ち偏食を直すことにつながります。

また、保育園や幼稚園など集団生活の中で、友達と一緒に食べる楽しさを知り、嫌いな食べ物や慣れない食べ物でも、食べようとする心が養われてきますので、偏食を直すよい機会であり大切な時期です。

学童期の対策

6~7歳のころになると、偏食はすでに固着しているといわれています。幼児期から続いてきた偏食がはっきりしてきて友達との差を大きくします。しかし、友達関係が緊密になる時期でもあり、友達の影響を受けて偏食が直ったという例も多くあります。

偏食をなくすために、野菜作りをしたり、食事作りに参加させたり、買い物をさせることも効果があります。また、食事が楽しいものになるよう、食卓の雰囲気を変えたり、野外で食事をするなども偏食を直すうえで効果的です。

学校での給食をとおした食育により、からだのしくみ、食べもののはたらき、バランスのとれた食事など栄養の知識を得ることで自分の健康について考え、何でも食べることの大切さがわかり、自ら偏食を直そうと思ってもらいたいものです。

人生80年時代を健康に生きるための基本は毎日の食事です。偏食をなくし、心も体も健康であるようにしたいものです。